ヨガで最も大切とされるポーズ、シャバアーサナ。
ヨガをはじめたばかりのとき、「最後に行うシャバアーサナ(仰向けで寝るポーズ)が最も大切なポーズである。」ということがあまり理解できませんでした。
毎日セルフプラクティスをしていた私にとって、一日一時間、ヨガのために時間をとることは、時間をやりくりしてやっと得られた貴重な時間。
そのために、なるべく効率よく全身に効果のあるプログラミングをしていました。
そんな中、シャバアーサナは単なるクールダウンとしてしか私にとっては認識していなかったのです。
これは実は、とてももったいないことだと、今では思っています。
シャバアーサナも立派なポーズなのです。
重力の付加や体重を支えるための負担が一切かからない分、正しい姿勢を研究することができる、それがシャバアーサナなのです。
自分が力を抜いたとき、右や左のどちらに傾きやすいか。
左右とちらのの骨盤が床から浮き気味になるのか。
太ももの回旋はどちらの脚が強いのか。
首のアライメントは。
どうすれば肩の先(肩峰)が床に近づくのか。
正しいアライメントをまず作って、そこからゆっくりと力を抜くことで、自分の癖や体のゆがみなどが分かってきます。
繰り返していくうちに、その感覚が更に磨かれ、自分だけでなく、他の方々の体の問題点なんかも一瞬で見えてくるのです。
肩や首が痛いと仰る方は、肩や首にももちろん問題を抱えていらっしゃいますが、立ち方に問題があったり、骨盤のちょっとした回旋などが関係していたり、など、あらゆることが見えてきます。。
シャバアーサナはまさに最も大切なポーズ。
このポーズをマスターできることで、すべてのポーズ、ワークアウト、歩いたり、階段を上ったりなど、あらゆることが体に負担をかけずに行うことができるようになってくるのです。
目次
シャバアーサナマスターへの道
やり方
1、仰向けに寝ます。
できれば、ご自分の正中線とマットの正中線を合わせて寝ていきましょう。
手のひらは天井に向けて、体の横に沿わせておきます。
2、お尻を意識しましょう
手の甲を床につけてぐっと床を押し、お尻を浮かせます。
このとき、腰を痛めないように気をつけましょう。
お尻を浮かせたら、お尻の筋肉をきゅう~~っと締めます。
そのまま、右のお尻のまんなか(一番膨らんでいる位置)、左のお尻の真ん中を左右均等に床にちょっとだけ、ちょんっとつけます。
右や左に傾かないようにしましょう。
3、太股の真ん中の位置を確認。
太ももの真ん中をぎゅう~~っと床に押し付けます。
お尻の位置はそのまま、半分中に浮いたような状態で、太ももの真ん中を左右均等に床に押し付けます。
大腿骨頭(大腿骨の根元、股関節に最も近いところ)を骨盤にきちんとはめ込むような感じです。
お尻は天井に、太ももは床に近づけることで、そけい部(脚の付け根)の角度が180度に近くなります。
実はこの状態、お尻や太ももの筋肉だけでなく、腹筋もかなり使います。
骨盤周りの筋肉をフル動員させてこの状態をキープしましょう。
4、ふくらはぎの位置を整えましょう。
ふくらはぎの中央をきちんと床につけます。
ふくらはぎは、床に押し付けると膝の過伸展に繋がってしまうので、床にわずかに触れているだけにしましょう。
同時に、膝小僧を太もものほうにぎゅ~~っと引き上げます。
5、かかとの真ん中の位置を調整。
かかとの真ん中を床につけましょう。
かかとの真ん中が外側に倒れたり、左だけ外側を向いていたりなどしないように、きちんと床にくっつけます。
きちんとかかとの真ん中が床にくっつくと、足首の真ん中とつま先は自然に天井を向きます。
この時点でつま先が外側に倒れてしまっている方は、ふくらはぎの外側の筋肉が緩んでいる可能性があります。
同時に、太ももの内側の筋肉も緩んでいるかも知れません。
これらの筋肉が緩んでいると、O脚の大きな原因になっているため、膝や足首、骨盤や股関節など、下半身に多くの負担がかかってしまいます。
そのため、重力のほとんどかかっていない状態で正しく筋肉を使うことが大切になってきます。
まず、寝た状態できちんと脚や骨盤周りの筋肉の使い方をマスターしましょう。
寝た状態で正しくできるようになると、立ったときの意識が変わってきます。
6、胸骨を意識します。
胸骨(ウルトラマンのピコンピコンと鳴るトコらへん)を空中に上げます。
安定した下半身をキープしたまま次は上半身です。
胸骨を天井に突き出して床から離します。
7、肩先の位置を調整。
肩峰(肩の先っぽ)を床にくっつけます。
胸骨を床から離したまま、肩で床を押し付けるようにします。
左右の肩に同じように体重をかけるようにしましょう。
8、腹筋の上部を整えましょう。
肋骨の背中側を床にくっつけます。
胸骨を床から離して、肩峰を床にくっつけると、腰を反ったような姿勢になってしまいます。
腰に負担はかけたくないので、背中側の肋骨を床に押し付けるようにしましょう。
胸骨と肩峰はそのままキープして右側の肋骨の後ろ側の真ん中、左側の肋骨の後ろ側の真ん中を均等に床に押し付けます。
肋骨を床に押し付けるためには、おへそより上の腹筋をものすごく使わないとできません。
この部分の筋肉をつけることは、とてもタイヘンなため、いきなりできなくても全然構いません。
何度も行って、徐々に「近づけていこう」とする意識だけでOKです。
9、正中線を確認。
頭を上げて自分の正中線を確認します。
あごを胸骨に近づけて、頭を床から離し、左右の足の親指の付け根同士をくっつけて、そこから膝、恥骨、お臍、胸骨までがまっすぐ一直線になっていることを確認します。
もし、自分で思っていたよりも傾いていたら、ここで微調整します。
意外に、自分が思っているよりも斜めになっているかも知れません。
全然大丈夫だった方でも、メンタルが低迷気味のときなど、自分でも驚くほど斜めになっていることも時としてあります。
それだけ、心と体が繋がっているのだと、実感させられます。
10、頭を床に下ろします。
あごと胸骨が繋がったまま、眉間を床に近づけていきましょう。
眉間から頭の後ろにまっすぐボルトが通ったように、まっすぐにおろしていきます。
人によっては、右や左に傾いたり、回転したりする方もいらっしゃいます。
この微妙な角度を調整することで、自分の正しい首のアライメントを見つけることができます。
最初は自分で見つけることはとても難しいので、信頼のおける指導者に直していただくことは、とても重要です。
正しい首の角度で日々生活していないと、それだけで首こりや肩こりの原因になります。
・ほんの少し右に傾いている、
・右の肩の長さが左よりもほんの少し短い、
・首と肩の角度が右のほうが狭い、
など、左右の少しの違いを正していくだけで、血流が変わっていきます。
365日、24時間、ずっと負担のかかった状態でいたことをまず自覚してみましょう。
そこから、正しい姿勢を模索していきます。
11、ゆっくりと全身の力を抜いていきましょう。
まずはお尻の力を抜きます。
左右均等に。
次に太ももの筋肉を緩めましょう。
太ももの筋肉を緩めると、同時に足の指の力がふわ~~っと抜けて広がっていくような感じになります。
足の指先がゆっくりと外側に開くのを感じます。
このとき、左右、どちらがより床に近づくか観察します。
左のほうが床に近づいたら、左脚の腿や足首、骨盤の傾きや筋肉などが少し緩んでるのかな~~、などと、ただ、感じて観察してみましょう。
お腹の筋肉、肩、二の腕、手のひらの力を抜きます。
二の腕(ひじから肩まで)が外回転(外側が床のほうに、内側が天井のほうに回転)して、手の親指が床に近づいていくのを感じましょう。
あごの力を抜いて、ほっぺの筋肉を緩めて、眉間に涼しい風が吹いているようなイメージをして見ます。
眉間が広がって、穏やかな表情になります。
心の中の静かな声に耳を澄ませて見ましょう。
あなたは、それだけで光り輝く存在なのだと、自分を受け入れてみてください。
これまでもお世話になってきた大切な体。
これからもお世話になる大切な体。
体が整えば、心も整います。
できるだけ愛しんであげてくださいね。
これから先も、輝く人生であり続けるために。
ありがとうございました。
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